カフェ開業のコンセプト例と新しい店づくりに挑戦するバリスタ!

初めまして!新大阪 カフェ&ビアテラス カリフォルニアカフェ 代表 直林浩正です。

平成のカフェシーンを振り返ると、1996年にスターバックスコーヒーが日本に上陸して以降、新しいコーヒーのプロフェッショナルである「バリスタ」が登場しました。現在ではバリスタが独立開業する店は多様化し、エスプレッソ系をメインに提供する店、ドリップコーヒーやコーヒーカクテルも提供する店、自家焙煎に取り組む店など、新しい感性でオーナーバリスタの目指すコーヒーを売る様々な店が出来ています。

バリスタのカフェ開業をテーマに新しい店づくりに挑戦する各店の営業スタイルやメニュー設計などを紹介します。

カフェ開業時にかかった資金について詳しく解説していますので、開業時の資金について勉強になると思います。
そしてすべてのお店の「コンセプト」がとても素敵なので手本にしてくださいね。

目次

1、カフェコンセプト「人こそ財産。会いに行きたくなるコーヒーショップ。」

LET IT BE COFFEE(東京)

レットイットビーコーヒー

  • 開業年月日/2018年2月5日
  • 内外装費/550万円
  • 厨房機器・什器備品日/450万円
  • 運転資金/100万円
  • 坪数・座席/9坪・10席
  • スタッフ数/2名
  • 商品構成/フード2品、ドリンク18品、スイーツ2品
  • 客単価/1000円

1-1、信頼できる作り手とタッグを組む

カフェにとって大事なアイテム、コーヒー豆と器は心から尊敬する作り手に依頼。

コーヒー豆は友人がロースターを務める東京の「coffee wrights」から仕入れ、器は憧れていた陶芸作家・遠藤太郎さんが製作したもの。彼らの熱量を同じ思いでお客様に伝えることをモットーに、日々営業する。

1-2、オープンでフランク。距離の近さが特徴。

店の前を通る人にもガラス越しであいさつができ、店内の人にもきちんと目配りが出来る場所に大きなカウンターを配置。

二人のビックスマイルが店内を明るく照らす。客席は仕切りを作らず、一体感のある雰囲気にすることで、お客様同士で自然と会話が始まることも多い。ベビーカーごと店内に入れる。

 

1-3、あるがままに自分らしい生き方を。

「会いに来たよ、言ってもらえるようなコーヒーショップが僕らの理想。だからいつも二人で迎えるし多店舗化するつもりもありません。この場所でこのスタイルでずっと続けたいですね」。

誰もが気軽に利用できるようにメニューに使う豆は風味の違いが明確な3種のみ使用

コクがあり酸味の少ないブラジルと、バランスの良いブレンド、そしてフルーティーな浅煎りのエチオピア。

信頼するロースターの豆で淹れる一杯に自信があるからこそ、スペシャリティーを使っているだとか、鮮度の管理だとか、小難しい話はあえて語らず、シンプルに楽しんでもらうことを一番に考えている。

「僕らの店には、コーヒーのこだわりよりも、リラックスする気持ちやワクワクする気持ちを求める人の方が多い。お客様に寄り添う方法を考え抜いたら、こういう結論になりました」。

夫の哲夫さんは20年以上、妻のmotokoさんは10年ほどキャリアを積んでいる。

実力のあるコーヒーを出す店だから、このスタイルが一層支持されるのだろう。

レットイットビーは「あるがまま自分らしく」というコンセプトから名付けた店名。

好きな人と、好きなことを、好きな時にする、という決意表明。そのものだ。

 

2、カフェコンセプト「海外仕込みのバリスタが仕掛ける、SNSで話題のコーヒーショップ」

WISE MAN COFFEE (東京)

ワイズマンコーヒー

  • 開業年月日/2017年6月2日
  • 開業投資額/500万円
  • 内外装費/120万円
  • 厨房機器・什器備品費/300万円
  • 坪数・席数/15坪、店内12席・外4席
  • スタッフ数/2名
  • 商品構成/フード3品、ドリンク16品、スイーツ8品
  • 客単価/800円
  • 1日の平均客数/平日35名、休日110名

2-1、インテリアもアートも買える。お客のニーズに応える対応力。

昔からDIYが好きだったオーナーの木山さんは開業資金を節約するため家具含め店舗をほぼ一人で仕上げた。

その居心地の良さ、使い勝手の良さに惹かれたお客様からテーブルの製作の依頼されたことがきっかけで現在は受注生産で家具を製作している。

またスタッフが描いたウオールアートも好評でこちらも販売を始めた。

2-2、隠れ家的な一軒家。

店があるのは大通りから小道を斜めに入ったわかりずらい場所。

外に目立つ看板があるわけでなく普通の住宅と間違えがちだ。

しかし、だからこそ”隠れ家カフェ”だとSNSにアップして誰かに紹介したい気持ちを高めさせる。

店舗には中に庭がありここには犬を連れてきてもOK,ロードバイクで訪れるお客も多い。

2-3、SNSでPRし集客に成功。

最寄駅から続く長い坂を下り、15分強。

静かな住宅街の中にある一軒家が「ワイズマンコーヒー」だ。エスプレッソを中心としたドリンクと、それに合う軽食がカジュアルに楽しめる。オーナーの木山さんはオーストラリアとカナダで経験を積んだバリスタ兼ロースター。

「わかりづらく不便な場所ですが、おいしくて美しいビジュアルのメニューと、くつろげるインテリアがあれば、SNSを通して集客できると確信していました」と話す。

オープン当初は片手で数えるほどのお客だったが、それも想定内。

自ら撮影した写真でInstagramに広告出し、店のアピールに努めた。効果の出だしたのは半年ほどしてから。

カフェ巡りに特化したインスタグラマーの来店がきっかけに集客がぐっと伸び、現在は週末になると100名以上が訪れる人気店となった

立地については「もちろん駅に近いほうが有利ですが、家賃を考えると自分にはリスクが高すぎる。

まずは知名度を上げて来客数と経営を安定させてから、新たな展開を検討したほうが経営的に良いだろうと判断しました」。

知名度を得た現在、次に目指すのはブランディング。

これまではカフェが好きな層を幅広くターゲットにねらっていたが、コアなコーヒーファンにも満足してもらえるように店を進化させる予定だ。

「シングルオリジンコーヒーを補強し焙煎機を店頭に設置する予定です。スタッフも増員するのでコーヒーのいろんな楽しさを提供できると思います」と意気込む。

「お客様はもちろんスタッフにも満足してもらえるお店」を目指すオーナーの木山さん。

これからの展開に目が離せない、注目の1店だ。

3、カフェコンセプト「コーヒーをツールに、コニュニティーを生むエスプレッソバー」

OVER COFFEE AND ESPRESSO (愛知)

オーバーコーヒー&エスプレッソ

  • 開業年月日/2018年11月30日
  • 開業投資額/1000万円
  • 物件取得費/100万円
  • 内外装費/600万円
  • 厨房機器・什器備品費/300万円
  • 運転資金/100万円
  • 坪数・席数/7坪(カウンター5席・スタンド3席)
  • スタッフ数/1名
  • 商品構成/フード1品、ドリンク20品、スイーツ11品
  • 客単価/900円
  • 目標月商/125万円

3-1、お客との対話を重視したカウンターメインの造り。

ビルのワンフロアにコーヒーの屋台がすっぽり収まったようなユニークな造り。

コーヒー店における敷居の高さを取り払い誰もが立ち寄れる雰囲気を大切にした。

ワンオペレーションのためカウンター内で抽出から提供、会計まで対応できるように機能を集約。

カウンターの天板は奥行きがあり程よい距離感で会話が弾む。

3-2、ドリンクの柱は旨みを濃縮したエスプレッソ。

エスプレッソを軸にし、マシンは店の雰囲気に合うシルバーボディーの「マルゾッコ」。

ミルクやリキュールに負けないよう、やや濃いめの抽出が特徴。ラテアートを書くカフェラテをはじめ、コーヒーゼリー入りのフレーバードリンク、アルコール入りまで多彩なアレンジドリンクを用意する。

3-3、コーヒーを中心にしたライフスタイルを発信。

「店で気に入ったものを自宅に取り入れておいしいコーヒーを楽しめるように」との思いから物販コーナーも充実させている。

オリジナルのドリップバッグに、カラフルな色合いの波佐見焼のマグ、サロンとコラボしたテイクアウトカップなど、ライフスタイルを豊かにしてくれるアイテムがそろう。

3-4、雑居ビルに現れた屋台のような異空間。

質の高いスペシャルティコーヒーを身近に楽しんでもらおうと、複数のロースターから豆を厳選して提供する「OVER COFFEE」。「コーヒーをツールとして、人がつながるコニュニティーを作りたい」という思いがコンセプト。

場所は総合駅から徒歩3分という好立地で大通りから入った路地の一角。

雑居ビルの2階にある7坪ほどの小さな空間。

オフィスワーカーから学生、飲み客まで幅広い客層が見込めて周囲に本格的なコーヒーショップも少ない。

隠れ家のような居心地の良さがありつつ通りからガラス越しに店内の様子が見えるため初めてでも入りやすい点も好条件だった。

内装のデザインのイメージは海外の廃墟内に建つコーヒースタンド。

ビルの中に屋台を収めたようなフレーム組が印象的で黒を基調にクールな雰囲気に仕上げた。

店の顔となるカウンターにはエスプレッソマシーンを設置しお客の目の前で抽出を行う。

窓側にはスタンドテーブルを設置しており立ち飲み利用も可能だ。

オープン以来足繁く通うリピーターや気に入って同僚や友人を連れて来店するケースも多くファンの輪を広げている。

「コーヒー専門店とも、イタリアンバールとも違う”エスプレッソバー”ふらりと立ち寄って会話や空間とともに楽しんでいただけたら嬉しいです」。

4、カフェコンセプト「サロン併設、イベント、地域連携でコーヒーの間口を広げる」

CAFE AND HAIR SALON RE:VERB (岐阜)

カフェ&ヘアサロン リバーブ

  • 開業年月日/2018年11月11日
  • 開業投資額/1000万円
  • 物件取得費/なし(サロンが取得)
  • 内外装費/400万円
  • 厨房機器・什器備品費/450万円
  • 運転資金/150万円
  • 坪数・席数/20坪・22席
  • 家賃/15万円
  • スタッフ数/3名
  • 商品構成/フード4品、ドリンク30品、スイーツ6品
  • 客単価/750円
  • 1日の平均客数/40名
  • 目標月商/80万円

4-1、「少しでもおいしく」を目指し最新型の機械を導入。

エスプレッソマシンの「アウレリア ウエーブ」はタッチパネルで操作が可能。

隣に設置するグレインダーの「ミストⅡ」は設定したグラム数に合わせて自動で豆を挽いてくれるため味わいにぶれが少ない。

ハンドドリップ用のグラインダー「マッツアーZM」は挽き目がきっちり定まり味わいがきれいで複雑味を出せる点が気に入っている。

4-2、抽出やマシンも演出の一部。オープンな造りでライブも開催。

抽出やマシンも演出の一部と考えカウンターはカウンターは腰までの高さのオープンな造りにした。

コーヒーの関心があれば自由に抽出の様子を見学できるほか店内で過ごすお客様とも会話がしやすい。

また一段上がった奥の客席スペースにはDJブースも備えており音楽ライブ開催時にはテーブルを外しステージとしての利用も可能だ。

4-3、上質な豆と最新マシンを揃え”心に響く一杯”を追求。

昔ながらの商店街を会場にしたマーケットや空きビルを活用したプロジェクトなど近年町おこしが進み注目を集めている岐阜駅の北エリア。駅から続く大通り沿いにヘアサロンを併設したカフェ「re:verb」がオープンした。

店を運営するのはコーヒー専門店で腕を磨き競技会での実績を持つバリスタの福井さん。

友人でありヘアスタイリストの田口さんに「隣でカフェやらないか」と誘われたのを機に夢だった郷里での開業を実現させた。

カフェスペースの奥には田口さんがオーナーを務めるヘアサロンを併設させている。

両社の空間につながりを持たせるためコンクリートの壁面とダークブラウンの木材をメインに落ち着いた雰囲気で統一した。

施術の待ち時間にコーヒーのオーダーを受けたりサロンをきっかけにカフェへも足を運んでもらったりと併設スタイルの集客にも成功している。

「間口を広げるためにスタンスはあくまでもカフェ。当店の一杯をきっかけにコーヒーのおいしさを知っていただき、コーヒーファンを増やす土台作りが出来ればと考えています」(福井さん)

店の周辺には若者が集うコーヒースタンド、スイーツが人気のカフェ、バーのような雰囲気のコーヒー店など、それそれの強みを生かしたコーヒーショップが点在する。

お互いのショップカードを設置するなど連携しあい店をはしごして飲み比べや気分やシーンよって使い分けるなどこのエリアならではの楽しみ方を生んでいる。

5、カフェコンセプト「コーヒーはコミュニケーション。新しい時代の喫茶店へ」

名次珈琲店 (兵庫)

ナツギコーヒーテン

  • 開業年月日/2016年11月1日
  • 開業投資額/1000万円
  • 坪数・席数/15坪・17席
  • スタッフ/1名
  • 商品構成/フード15品、ドリンク45品、スイーツ9品
  • 1日の平均客数/40~60名
  • 目標月商/200万円

5-1、利用は一人でもグループでも。ゆったりくつろげる空間づくり。

対面での接客に欠かせないのカウンター席。隣の席との距離も広くとりゆったりとくつろげるように備えている。

また無駄なものは除いてすっきりとした印象にも。

グループでの利用もしやすいようにテーブルは可動式。

「座り心地も重要」と椅子選びにも時間をかけ、ブランドやメーカーにこだわらず、店内との同一トーンの色調に。

5-2、昔ながらの喫茶文化を今の時代に合わせた形で表現。

関西でも有数の高級住宅地である兵庫県西宮市苦楽園。

商業施設のないこのエリアで駅から徒歩5分のビル2階に店を構えたのが「名次珈琲店」だ。

開業は2016年11月。神戸でも数少ないネルドリップ、そしてエスプレッソの2つの抽出をフックにし種類豊富なフードで多店舗との差別化を図っている。

「屋号に珈琲店と表記していますが理想は喫茶店。昔ながらの喫茶文化を今の時代に合わせた形で表現したい」という店主の井ノ元さん。ワンオペレーションの見せながらサンドイッチをはじめ15品を誇るフードメニューは”憩いの場所”としてゆっくり利用してもらうように用意している。

「自分が好きなコーヒーの味を表現するという思いから、抽出方法が異なるコーヒーを用意しています。とはいえコーヒーを絶対飲んでほしいという思いはありません。カウンターで接客仕事がしたいという思いから選んだこの喫茶形態。コーヒーへの思いは強いですがあくまで商品の一つですし飲めない方にも来ていただきたい。ですから紅茶、自家製シロップを用いたドリンク、アルコールも含め20種以上用意しています。常連のお客様のご要望を聞いて作るフードメニューをアレンジした裏メニューも多いのですよ」。

ドリンク、フードともにメニューは多いが突飛なものは置いていない。

「メニューを見てびっくりするのではなく、懐かしいとホッとしてもらえれば。そうした家でも食べられるメニューだからこそ素材には力を入れています」。

「住宅街ですし近隣の方に愛されてこその店。だからリクエストにはできる限りお応えますし、そうしたお客様とのやり取りも楽しい。この会話こそ理想とする店の姿。お客様にとって私や他のお客様との何気ないやり取りやその雰囲気を楽しめる店であること、そしてここならゆっくりできる、ここに行きたいと思ってもらえる店になることが一番大切だと考えています」。

高級住宅街という場所柄もありあえて広告は出さず集客は口コミやSNS頼みだが多いのは口コミによる来店。井ノ元さんが大切にしてきた”コミュニケーション”によってお客がお客を呼びその輪が広がりつつある。

6、カフェコンセプト「コーヒーに固執しすぎない、誰でも利用しやすい地域密着店」

CRAFTSMAN COFFEE ROASTERS (山口)

クラフツマンコーヒーロースターズ

  • 開業年月日/2016年10月15日
  • 開業投資額/1950万円
  • 物件取得費/50万円
  • 内外装費/800万円
  • 厨房機器・什器備品費/1000万円
  • 運転資金/100万円
  • 坪数・席数/15坪・18席
  • 家賃/10万円
  • スタッフ数/9名
  • 商品構成/フード5品、ドリンク16品、スイーツ7品
  • 客単価/1500円
  • 1日の平均客数/50名
  • 目標月商/200万円

6-1、コーヒーに興味を持ってもらう、きっかけになりたい。

エスプレッソ、カフェラテ、ドリップコーヒーがセットになった「コーヒー飲み比べ」1000円や、3種のドリップコーヒーを飲み比べできるセット1000円もある。

エスプレッソマシンは扱いやすく、安定感のある抽出が魅力のシネッソの「エントリーモデルS200」を採用。

「コンパクトサイズのマシンなので客席の見通しが良いものも導入理由です」

6-2、分かりやすさとデザイン性を両立させる。

着席前のオーダースタイル。

イメージがわきやすいよう写真付きのメニューを作ることも考えたが、デザイン性が損なわれないようタブレットで写真を見せる方法を採用。

レジ横に焼き菓子をディスプレイするなどビジュアル的な観点からも追加オーダーにつながるよう工夫している。

6-3、サービスと接客が再来店の一番の動機に。

中国、九州エリアで話題を集めるコーヒーショップ「クラフツマンコーヒーロースターズ」。

オープンから3年足らずの新しい店だが、すでに2店舗目を開店するなど、その勢いは目を見張るものがある。

店を営むのは高城さんと青山さん。

大学時代の親友同士による共同経営だ。

店に入りまず目を引くのが、カジュアルなスタイルながら、お客が帰る際に店の外まで見送る丁寧なスタッフの接客。

「地域で長く愛される店を作るというのが当店のぶれないコンセプト。『また来たい』と思っていただけるよう、私たちができる最大限のサービスや接客を心掛けています」

「屋号にロースターズと銘打ってはいますが、お客様にとっては使いやすいカフェでいい。自家製焙煎や抽出など質の高いカップをご提供するためのプロセスは欠かしませんが、だからといって絶対にコーヒーを飲んでほしいといったスタイルではありません」

コーヒーに固執しないコーヒーショップ。

「お客様の日常をより豊かにできたらという思いがスタート。それなら週に何度も通える単価の低い店をやろうと決めてコーヒー店を開きました。お客様のライフスタイルに何らかしらの変化をもたらすことを今後もやっていけたら」

セオリーに縛られず新しいチャレンジを

2人ともコーヒーの知識はほぼゼロで店をスタートしました。

「業界の先輩に教わった部分もありますが、焙煎、抽出ともにほぼ独学です。目指したのはシンプルに自分たちがおいしいと思えるコーヒー。今も週に一回スタッフと焼いた豆の試飲を繰り返し、豆の焙煎度やブレンドなどをブラッシュアップしています。セオリーを知らない分、逆に新しいことにチャレンジできているのかもしれません」

「当店のスタッフにコーヒー業界出身者はゼロ。飲食業も初めてのものもいます。だからこそ出来るだけ専門性を必要としないシステムにしました。エスプレッソも簡単に抽出できるよう最新の高性能マシンを導入したり、扱う人間を選ばないマシンや器具への設備投資は重要だと思います」

違う業界からコーヒーの世界に飛び込んだ、その考え方や姿勢はコーヒー業界に新たな可能性を生み出しそうだ。

7、カフェコンセプト「独自の審美眼で選んだアイテムがオリジナリティー溢れる味を生む」

NIYOL COFFEE (福岡)

ニヨルコーヒー

  • 開業年月日/2018年6月9日
  • 開業投資額/約800万円
  • 物件取得費/100万円
  • 内外装費/300万円
  • 厨房機器・什器備品費/300万円
  • 運転資金/100万円
  • 坪数・席数/10坪・約20席(テラス席と地下室含む)
  • 家賃/8万6400円
  • スタッフ数/1名
  • 商品構成/フードなし、ドリンク約20品、スイーツ2品
  • 客単価/800円
  • 1日の平均客数/平日50人、土日祝日80人
  • 目標月商/110万円

7-1、Instagramは無料の販促ツール

美大出身の感覚を生かしたInstagram投稿を1日1回は行うようにしている愛機のカメラは富士フイルムのX-Pro1で、これにロシア製のオールドレンズを装着することで写真に雰囲気を出す。

7-2、常識にとらわれない発想で幅広い層に喜ばれる感動体験を

福岡の副都心として、また学生街として賑わう西新エリア。

その商店街から少し離れた路地裏に『NIYOL COFFEE』はある。

「ニヨル」とはネイティブアメリカンの言葉で”おだやかな風”を意味する。

8人も入ると満席になる規模の店ながら、友人の家に遊びに来たようにくつろげる空間や店主の飾らない接客にファンが急増。

開業して1年もたたないうちにピーク時は行列が出来る人気店へと成長した。

オーナーバリスタの越智さんはメニュー作りにおいても定番や常識にとらわれない発想を大切にしている。

夏場のヒット商品「エスプレッソトニック」は炭酸水をミキサーにかけるという斬新な方法でギネスビールのようなクリーミーで上質な泡が楽しめるドリンクへと昇華させた。

店がブレークのきっかけとなったシェイク「フローズンモカ」のグラスに描くチョコレート模様はバーボンのボトルのデザインを参考にしたという元バーテンダーらしいアイデアだ。

生豆のクオリティや器具の選定など、お客様がコーヒーを楽しめるよう店として最高の環境を整えてはいるが、越智オーナーはあくまで「コーヒーを普段飲まない人にも興味を持ってもらうための橋渡し役」という立場を崩さない。

様々な展示やワークショップを行うギャラリーを併設しているのもそのきっかけ作りの一つだ。

「ちょっと不便な場所にわざわざ来てもらう。その価値のある喜びをこれからも追及していきたいですね」。

オーナーバリスタ越智さんの夢は始まったばかりだ。

8、カフェコンセプト「いつも面白いことをやっている店」

SALVADOR COFFEE (北海道)

サルバドールコーヒー

  • 開業年月日/2018年10月29日
  • 開業投資額/130万円
  • 物件取得費/15万円(前家賃・敷金)
  • 内外装費/60万円
  • 厨房機器・什器備品費/25万円
  • 運転資金/30万円
  • 坪数・席数10坪/7席
  • 家賃/6万8千円
  • スタッフ数/1名
  • 商品構成/フード7品、ドリンク55品、スイーツ5品
  • 客単価/920円
  • 目標月商/50万円

8-1、種類豊富なコーヒー豆を50グラム単位で気軽に購入できる

コーヒー豆は50グラム(330円から)単位で10種類前後を販売しており種類はその時々で変わる。

コーヒー豆を入れるキャニスターのあわせてジャストサイズで作った陳列ケースも手作りだ。

「コーヒーもワインも好き」というオーナーの柴田さんは両方楽しめる店づくりを目指している。

8-2、運命に導かれ、上司に背中を押されてカフェ開業

『サルバドールコーヒー』の若きオーナーバリスタ柴田さんにとって開業の決断は予想もしないタイミングでやってきた。

「流れが来てとしか言いようがないんです」と笑う。

大学卒業後、もともとコーヒー好きだったことから札幌の『スターバックスコーヒー』でアルバイトを始めた。

数年後、シフトの休みの日だけ札幌市内の別のカフェのお手伝いを始めほどなくしてその近所でテナント募集の張り紙を見つけた。

そこがのちの『サルバドールコーヒー』となる物件だ。

焙煎にも興味があったオーナー柴田さんはそこを作業所として借りて休日に豆を挽く勉強をしながらゆくゆくは豆の販売を始めようと考えた。

その後、上司に自分の計画を相談。

ところがその結果「片手間でやるのではなく、覚悟を決めて独立開業に挑戦してみたほうがいい」とアドバイスされた。

予想外の流れで開業を決断したため、貯蓄額が足りず、日本政策金融公庫から100万円の融資が下りるまでに1ヵ月半要した。

内装はほとんど自分で手掛けるなどして開業資金を抑えた。

8-3、バリスタトレーニングに注力。実体験を通じた人材育成を

コーヒー豆は、中煎りの「エルサルバドル」をメインに自分が気に入った複数のロースターから10種類前後仕入れており、その時々で仕入れ先も豆の種類も変わる。

看板ドリンクの「贅沢ブレンド」は、利用するお客様の側に立って発想したメニュー。

(上の写真)『贅沢ブレンド』550円、お客様のその日の気分、体調などを尋ねたうえで店頭にある豆をその場でブレンドして提供。その名の通り、カスタマイズされた贅沢なブレンド。

お店のオリジナルブレンドはこれと決めるのではなくお客様との会話の中から好みや気分に合わせた味わいを探り、豆の配分を変えて”その人のための一杯”を提供する

抽出はハンドドリップのほか季節のアレンジラテやアルコールを取り入れたものも打ち出している。

通常のフードは日替わりのスイーツと隣のベーカリーのパンを使った軽食のみだが「赤ワインに合う水曜日のビストロ」と題して、毎週水曜日のみ限定の洋食メニューを考案している。

とても好評だ。

メニューを考える際には強力フードロスを出さないことを重視。

単一メニューにしか使えない食材や調味料は購入せず、生ものは日替わりフードや、スイーツなどで使い切る。

店づくりの上で心掛けているのは、既存のスタイルにとらわれないこと。

特にバリスタの育成に力を入れ、従業員雇用ではなく、広くコーヒーについて学びたい人を応援する「バリスタトレーニング」に取り組み始めた。

店内でハンドドリップの大会を開催し、優勝者には1日だけ店を貸し、接客体験をしてもらう試みも。

「バリスタ同士の仲間の輪が広がって連携体制が整えば、イベント会場など、店以外の場所に出張してコーヒーを提供することにも一緒に取り組んでいきたいですね」と、今後の夢を語ってくれた。

(参考資料 good coffee グッドコーヒー|COFFEEOTAKUコーヒーオタク | CAFERES 2019年6月号)

9、今までにない斬新なコンセプトでカフェ開業、事例

単品に特化した商品やコンセプトで差別化を図るショップやカフェの開業が増え始め

そのニッチな魅力と新しい魅力で集客に成功している斬新なコンセプトショップ&カフェを3店舗紹介します。

紹介する新しいコンセプトは簡単にまねできるものではありませんが、

「今までの経験」

「今まで自社で使用してきた商品を新しい切り口で商品化する」

「あったらいいなを商品化する」

などなど、コンセプトの作り方がとてもユニークです。

是非参考にしてください。

9-1、洋菓子店で培った技術とノウハウを多彩な味わいのコルネに集約

cornerco コルネルコ (愛知)

2016年にオープンした『cornercoコルネルコ』、オーナーの山下さんはいくつかの洋菓子店に10年間勤め、独立に至る。

元々は多品種を扱う洋菓子店を開業するつもりだったが、人手や材料費、日本の風土や文化を考えた時に一般的な洋菓子店では勝算がないと考え、方向転換。

製造から接客まで一人でできる単品特化の店が浮かぶ中で、以前勤めていた洋菓子店でコルネが安定的に売れていたことを思い出し、コルネ専門店にすることを決意した。

店で扱うコルネは定番の8種類のほかに季節限定のメニュー2種類を加えた全10種類。

カスタードやなど、”菓子系コルネ”とチョリソーやカレーなど”惣菜系コルネ”をラインアップ。

「コルネはベースのカスタードにフレーバーを付ければバリエーションはいくらでも広がります。また”スイーツ系”だけでなく、同じ生地を使って”惣菜系”も作れるところが魅力です」

中に入るクリームなどは自家製だが、生地はフランス産のデニッシュシートを使う。

自家製にこだわるところはこだわり、便利なものに頼るところは頼る。

専門店としてたくさんの種類を一人で作るには最良な方法といえます。

9-2、老舗の和菓子屋さんが”あんのある生活を”をコンセプトにオープンした新感覚カフェ

TORAYA CAFE・AN STAND トラヤカフェ・アンスタンド (東京)

京都で生まれ、5世紀にわたって和菓子屋を営んできた『とらや』が、2016年4月にオープンしたのが『TORAYA CAFE・AN』の第一号店。

“あんのある生活を”コンセプトに自由で新しいお菓子の世界を提案。

あんペーストを気軽に楽しめる店づくりを目指してスタート。

新宿駅新南口改札すぐにあって、スタンド形式のカフェスタイルの営業形態を採用している。

『TORAYA CAFE』こだわりのあんペーストは、こしあん、小倉あん、白ごまときなこの3種類をベースにラズベリーという季節限定商品も用意している。

これらのあんペーストを使ったお洒落感覚あふれるスイーツやドリンク、かき氷など揃え、あんペーストの新しい楽しみ方を提案している。

スイーツは「あんコッペ」432円、「あんトースト」486円、「あんボーロ」1個270円など、ドリンクは「あんペーストカフェオレ」594円、「あんペースト抹茶オレ」648円など、さまざまなあんを使ったメニューをそろえている。

物販商品の販売にも力を入れており、ビン詰めのあんペースト1080円、白ごまときな粉1296円といった商品を並べ、持ち帰りや贈答品としてお勧めしている。

新宿駅に隣接した施設内にあり、老若男女の幅広い層の来店客が利用する。

9-3、ビジュアルと持ち歩きやすさを追求。SNS映えすると女性客に大ヒット!!

Cafe no, カフェナンバー (大阪)

今回最後に紹介するのが、わが町大阪で今大注目のカフェ『Cafe no,カフェナンバー』。

アパレルショップのオーナーが知人のバリスタと共に立ち上げた『カフェナンバー』は2018年2月に大阪・北堀江に構えた本店は開業からの2か月でトータル4万人以上の人が来店。

5月には梅田店をオープンし現在は全国に9店舗展開する急成長中の目が離せないカフェである。

ヒットの火付け役になったのは振って飲むボトルドリンク。

カップよりは持ち歩きしやすいだろうという理由で選んだ透明ボトルが写真映えすると話題になり、グラデ―ションを見せるため、あえてあえてしっかり混ぜ合わせず提供しているのもInstagram映えにつながっている。

ボトルに入れた状態で保管し、オーダーが通れば渡すだけ。

長い行列が出来ても待ち時間は数十分という回転率の速さも魅力といえる。

もうひとつの看板メニューはブロンコラテ。

日本ではまだあまり見かけないが韓国で人気のチョコレートドリンク。

オーダー後にお客様の前でチョコレートを刻みラテにトッピング。

お客様からのリクエストに応じてアイスバージョンも考案した。

本来はチョコレートをラテに溶かして飲むドリンクだが、アイスはチョコレートを食べた後にコーヒーを飲むことになるためコーヒー自体にチョコの風味を加えている。

Instagramに届くダイレクトメッセージを一つ一つ確認し、可能な範囲でリクエストを実現、お客様との距離の近さが人気店であり続けている理由だろう。

(参考資料 ナゴレコ 2016/11/2|TORAYA CAFE |macaroni 2018/5/2|CAFERES 2018/8月号)


分かりにくい点、ご質問などありましたら、お気軽にお問い合わせください。→こちらをクリック

最後まで読んでいただきありがとうございます。

SNSでもご購読できます。

コメント

コメントを残す

*