飲食店・カフェ経営、間違いだらけの人件費コントロール3つのルール

初めまして!!新大阪 カフェ&ビアテラス カリフォルニアカフェ 代表 直林浩正です。

今回も私の記事をご覧になっていただき本当にありがとうございます。

さて、今回のテーマは、

飲食店・カフェ経営、間違いだらけの人件費コントロール3つのルール

について解説します。

人件費は、飲食店経営にかかるコストの中でも割合が高く、その使い方によって利益も激しく増減します。

ですから、多くのお店が人件費の削減に気を使います。

他のコストと比べて削減効果がすぐに表れるものが人件費コストの特徴です。

その人件費コントロールこそがお店が繁盛店になるかならないかの大切のポイントになりますのでしっかり理解しましょう。

1、「率」ではなく「額」を基準にする。

例えば、あるメニューの食材原価を100円下げたとします。

でも、そのメニューが売れない限り、その分の利益を得ることはできません。

効果が出るとは限らないのです。

水道光熱費も同様です。

いくらこまめに電気を消しても、水の出しっぱなしに気を付けても、それで利益がいくら増えたのかを知ることは困難です。

売上に対する割合で感覚的に判断するしか方法はありません。

その点、人件費は下げた分のコストがその日のうちに、そのまま利益に形を変えて戻ってきます。

考えてみれば、これほど簡単にコントロールできるコストもありません。

それなのに、人件費コントロールに頭を悩ませるお店は多い。

なぜなんでしょうか?

理由はたった一つ。

利益を出すための基準を「率」で考えるからです。

・商売の目的は利益を得ること

人件費に限らず、コストをうまくコントロールして安定した利益を出すお店と、そうでないお店の違いは、基準です。

利益を出せるお店は「額」を基準として具体的に考え、そうでないお店は「率」を基準にして抽象的に考えます。

例えば人件費を下げるときも、「あと10万円下げる」というのが「額」を基準とした考え方です。

無駄な時間のあぶり出しなのか、オペレーションを見直すのか、あるいはスタッフの削減が必要なのか。

いずれにしても、これなら具体的な対策を立てることが出来ます。

一方で、「あと2%下げる」というのは「率」を基準とした抽象的な考えです。

2%といわれても、何も判断できません。

その2%というのは、金額にしていくらなのか。

これがわからないからです。

○○円と具体的な金額で言われないと、明確にイメージできないからです。

極端な話、それが1万円程度の話なら、もう気持ちの問題で、どうにでもなります。

でも、100万円なら?1000万円ならどうでしょう?

同じ2%でも、金額によって緊急性も対策もまるで違ってくるわけです。

金額が明確でないとゴール設定が曖昧になり、それにたどり着くまでの手段を考えることはできません。

人件費を下げることが目的だとすれば、具体的にいくら下げるかを決める必要があるのです。

売り上げ予算を立てるときも、前年の実績に5%を乗せておしまい、という予算の立て方をする会社は多いです。

しかしながら、その5%という数字はどこから持ってきたのでしょうか?

そこに根拠がなければ、それはもはや予算ではなく、願望です。

前年より売り上げが上がりますように、というよう神への祈りと同じです。

だから具体策も立てられず「とにかく頑張って売ろう」としか言えなくなるのです。

予算というゴールが曖昧なら、そこにたどり着くまでの手段など考えられるはずがありません。

ですが、「額」を使った考え方なら、ゴールも手段も明確になります。

売上をあと100万円上げるには、商品の単価をいくら上げれば達成できるのか。

あるいは、販売数をいくつ増やせば届くのか。

何人の見込みに会う必要があるのか。

ゴールが明確なら、途中で方向も修正することも出来ます。

商売の目的は「利益額」を増やすことであって、「利益率」を上げることではないはずです。

人件費を下げたところで、利益を得られなければ何の意味もありません。

最終的にいくら使って、現金がいくら手元に残すのか。

これしかないわけです。

しつこいようですが、あなたのお店にとって大切なことなので、もう一度お伝えしておきます。

「率」ではなく「額」で考えること。

これを習慣にしてください。

そうでなければ、利益を増やすことは出来ません。

2、「1円の売り上げ」と「1円の利益」

売上と利益の関係性

お金をいくらかけて、その結果、手元にいくらの現金を残すか。

表現はストレートですが、これが「商い」の基本的な考えです。

そしてこのときに間違えてはいけないのが「売り上げ」と「利益」を混同してしまうことです。

実績を分析するにしても、その後の目標を立てるにしても、多くの会社は「売り上げ」を基準にして会話をします。

ですが、本来であれば基準にすべきは「利益」のはずです。

なぜなら、商売の目的は「売り上げを伸ばす」ことではなく「利益を増やすこと」だからです。

たとえば、A店で1杯500円の生ビールを100杯売ったとします。

売上は5万円です。

一方隣のB店でも生ビールを500円で販売していますが、90杯しか売れませんでした。

売上は45000円です。

単純に考えれば、A店の方が儲かったように見えます。

しかし、1杯あたりの仕入れ値がA店は250円、B店が200円だとしたらどうでしょうか。

販売数は10杯少ないですが、B店の方が粗利は2000円多い計算になります。

A点がB店と同じだけの粗利を得るには、さらに8杯売らなければいけません。

B店が販売価格を50円上げれば、粗利額の差はさらに広がります。

加えて、販売数が少なくて済むのですから、人件費を含めた諸経費も抑えられることになります。

売上の低いB店の方が多くの利益を、しかも効率的に稼いでいるということになります。

売上を伸ばすということは、利益を増やすための手段の一つに過ぎないのです。

 

売上と利益で異なる1円の重み

そもそも「売上」と「利益」では、本質がまるで違います。

先ほどの生ビールの例でいうならば、売り上げから原価を差し引いた金額が粗利です。

そして粗利から人件費や家賃・水道光熱費などの諸経費を除いた金額が利益(経常利益)になります。

A店において、仮に諸経費が一杯当たり100円かかるとすれば、得られる利益は150円ということになります。

売上を500円伸ばしたいと思えば、生ビールを1杯多く販売すればいいだけですが、利益を500円増やすとなれば話は違ってきます。

売上でカバーするなら、1杯当たりの利益は150円ですから、4杯分以上の売り上げが必要となります。

あるいは、仕入れ値を1杯当たり5円下げることが出来れば、販売数を増やさなくても500円分の利益を得ることが出来ます。

逆に言えば、売り上げを伸ばしたところで、仕入れ値や人件費などの上昇により利益が減ることも考えられます。

売上とは、利益を生み出す要素の1つです。

利益という結果に影響を与えますが、その影響力は原価や人件費といった他の要素と同じです。

売上=利益ではない、ということです。

同じ1円でも、売り上げと利益では、その重みがまるで違います。

売上を基準にした考えに意味がないとは言いませんが、

最終的に預金通帳に残されるのが「売上」ではなく「利益」であるのは事実です。

3、業界の常識は非常識

人件費率は30%以下の根拠は何か

人件費率30%以下にしなければ利益は出ない、と飲食業界では当たり前のように言われています。

でもこの話、異業種の方は不思議に感じるそうです。

「何で30%なの?」

実際私もこの質問されたことがあります。

言われてみれば、この30%という数字がどこから出てきたのか、その根拠を一度も聞いたことがありません。

おそらく、明確に答えられる方は少ないでしょう。

売上から5%の利益を得るためには、人件費30%、原価30%、家賃は7~10%以内、水道光熱費は、販促費は・・・

なるほど理屈はわかります。

でもそれは、あくまでも5%の利益を得るためのもの、モデルの一つにすぎません。

言ってしまえば、人件費が40%超えたとしても、利益が増えるのであれば何の問題もありません。

仮に25%に抑えれば本当に利益が増えるのでしょうか?

コスト削減で利益を失うこともある

以前、ある居酒屋チェーンで不振店舗の立て直しに参加したときのことです。

各店舗の店長は、こぞって人件費の削減に取り組んでいました。

1円でも多くの利益を出すため、準備や片付けは店長一人で行い、営業もギリギリの人数でシフトを組んでいました。

成果は数字に表れ、立て直しの対象になっていた8店舗のうち、実に6店舗までが、目標数値である「人件費率30%以下」をすでにクリアしました。

それでも、赤字を解消できないままだったのです。

一度利用してみると、原因はすぐにわかりました。

それらのお店は、平均単価4,500円と居酒屋チェーンとしたら少し高い。

その分、サービスの質も求められます。

しかし、商品を提供するのが精一杯の人数で組んだオペレーションでは、求められるサービスは提供できません。

温かいはずの料理は冷め、コールベルを押してもスタッフは来ない。

入り口で待たされるお客様。

それではリピートにつながるはずもありません。

新規集客には限界がありますから、売り上げは下がる一方です。

人件費の削減を丸ごと否定するわけではありませんが、削ればいいものではありません。

コストには、「利益を食いつぶすコスト」と、「利益を生み出すコスト」があります。

おさえるべき人件費もあれば、使うべき人件費もあると、いうことです。

コストの削減は、利益を生み出す可能性の一つにすぎません。

場合によっては、利益を失う結果にもつながるのです。

この居酒屋チェーンも、必要以上の人件費を削った結果、利益を得るだけの売り上げが確保できなくなってしまったのです。

目的は、人件費を削ることではなく、利益を増やすことのはずです。

「利益を出すために、人件費率を何%おさえるか」ではなく、「○○円の利益を出すためには、いくらまで人件費をかけられるか」と考えるべきなのです。

根拠のない業界のセオリーや数値に惑わされずに「率」ではなく「額」で考える習慣をつけること。

そして、現状と目的を数値化して明確にし、人件費コントロールを仕組み化していきましょう。

参考文献

13か月連続の赤字店を復活させた繁盛店をつくる7つのルール
倉園新也
(セルバ出版)


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最後まで読んでいただきありがとうございます。

 

 

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