
初めまして!!新大阪 カフェ&ビアテラス カリフォルニアカフェ 代表 直林浩正です。
お店を経営していて「お客様はたくさん来ているのに、なかなか利益が出ないな~」と感じている方いませんか?
なぜうちの店は「儲からないの???」
ランチタイムも満席になっているし、ディナーもそこそこ席予約も毎日入っているのに儲からない。
なぜだろー。
このようにカフェを経営しているものの、売り上げやコスト管理が苦手でどんぶり勘定で経営している方も少なくないと思います。
今回はとっても大事な「コスト管理」と「原価率の見直し」です。
店舗経営の指標として役立てるため「FLRコスト」をとてもわかりやすく解説します。
最後まで読んでいただくと「自分のお店が利益が出るお店なのか判断できます」「商品の原価率を下げる方法がわかります」。
店舗の経営を始めて間もない方、知識に不安がある方も必見です。
目次
1、カフェを経営をするには「コストの管理」が必要です。
利益が得られなければカフェ経営を継続することができません。
当たり前のことですが、その当たり前のことを実現するために、コスト管理が必要になってきます。
中でも、商品ひとつを作るためにいくらかかるかという「原価管理」は最も大切です。
しかし、ここで取り上げたいのは、トータル的にカフェ経営に関わるさまざまなコストです。
すべてのコストを管理して必要に応じて削減し、適正な価格に保つことによって、カフェが安定して継続的に利益を得られるようにしなくてはなりません。
カフェ経営にかかるコストとその削減方法について解説します。
1、正しい数字を把握する。
カフェを経営するには「コスト管理」はしっかりと行わなければいけません。
なぜ自分の店が儲からないのかを知るには「FLRコスト」を意識しなければいけません。
「なんだよ?FLRって」
「そのような専門の言葉に弱いんだ」って方も多いと思います。
しかし、「どんぶり勘定」の経営では、長く愛されるお店作りどころか「気がついたら、経営が火の車だった……」「運転資金が残りわずかになってしまった」なんてならないように。
今のうちにしっかりコスト管理を始めましょう。
- F(foodフード)・・・ドリンクを含む材料費
- L(laborレイバー)・・・人件費
- R(rentレント)・・・店舗の家賃・共益費
FLRコストとは、飲食店の経営で最も重視すべき経営指標のこと。
カフェを運営していく上で特に重要な経費にあたるのは材料費と人件費と言われています。
これは家賃や光熱費などと比べて変動しやすいので利益に直結してくるからなんです。
材料費とは?
これは調理するために材料を仕入れるお金です。
もちろんドリンクの購入費用も含みます。
客単価(1人のお客様が使う金額の平均)が高いお店ほど材料費の仕入れは大きくなります。
例えば1杯1,000円のコーヒーを出すのに100円で豆を仕入れていた場合材料費は100円ですね。
1杯300円のコーヒーを出すのに100円も材料費はかけられませんから30円で仕入れた場合30円が材料費になります。
どちらも値段の10%が材料費ですが、金額にすると70円の開きがあるんです。
原材料費は客単価によって金額は変わってきますが、どちらの場合にしろ30%以内を目指すのが一般的です。
人件費とは?
人件費とはお店で働くスタッフのお給料や、社会保険(主に健康保険、厚生年金、労災などをいいます)などの人に関する費用です。
実は人件費も客単価の高いお店ほど高めになる傾向にあるんです。
例えば10000円のコースを出すお店にご飯を食べに行った時はしっかりとしたサービスの接客をうけますよね。
質の高いサービスをするためにはそのスキルを持った人を雇うか、お店で時間とお金をかけて教育していく必要があります。
そのため客単価が高いお店では高いスキルを求めるため人材確保にかかる費用も大きくなるんです。
人件費と材料費は毎月変わる変動経費だからこそ売上や状況によって経営者が操作できる経費なんです。
変動経費を具体的に計算するには?
「FLコスト」の使い方
では人件費と材料費について変動経費なのはわかったけど実際どのくらいになれば大丈夫なんでしょうか?
カフェでは一般的に「FLコスト」という物を使って考えて行きます。
これはFはfood、つまり材料費の事です。
Lとはlabor、つまりは人件費の事です。
この比率としては売り上げに対して材料費で30%人件費で30%というのが基本的な数字ということですね。
人件費が35%を超えるようなら材料費を25%以内に抑える努力が必要になってくるんですね。
カフェで成功するためにはこの「FLコスト」を理解し適正な数値になるように運営することが重要なんです。
カフェは「どんぶり勘定」なんていいますが、今の時代そんなことをやっていたらすぐにお店は潰れてしまいますね。
ここは非常に大切なのでしっかり理解した方が精神的に悩まずにすみます。
家賃の目安は?
売上に対していくらだったらOKなの?
カフェを出店する際に既に店舗を持っている人は少ないですよね?
そうなるとカフェを営業して行くには必ず家賃がかかってきます。
そこでいくらぐらいまでなら家賃をかけてもいいのでしょうか?
地域などにもよりますが10%以内に抑えるのが理想的です。
でも欲を言うなら8%まで抑えたい所です。
家賃は必ず毎月かかってくる経費なので材料費や人件費などその月々によって変動する経費とは違って変わらない経費なので固定費と呼びます。
食材費や人件費とは違い、一度決めてしまうと変える事の出来ない経費になるのでいくらが無理のない金額なのかしっかり把握しておいた方が後々無理のない経営になるんです。
カフェの経営者は何とかしてこのラインを守ってほしいです。
■「FLRコスト」=食材費+人件費+家賃・共益費=売り上げの70%以内
自分の店の経費がどのくらいかわかったら下の計算式に当てはめてください。
当てはめると自分の店は利益が出る店なのか、利益が残らない店なのかがわかるはずです。
■ FLR構成比率=食材費+人件費+家賃・共益費÷売り上げ
- FLR構成比率が売り上げの70%以内ならば利益はおおむね10%程度残ります。
- 75%であれば利益は5%程度残ります。
- FLR構成比率がそれ以上になっていしまうとほとんど利益は残りません。
自分のお店はお客様はたくさん来るが利益が残らないと思っている経営者は多分「FLR構成比率が75%以上」になっているために、利益が手元に残っていないのです。。、
では、どのようにしたら今のコストを適正なコストに抑えることが出来るかを考えていきましょう。
2、原価を見直す
ここまで読んでみて材料費が30%超えてしまっていることに気付いた方は、原価の見直しを始めていきましょう。
原価の管理はカフェが利益を出すための生命線です。
先ほども解説しましたが食材やドリンクにかかる仕入れコストは家賃などの固定費と違い売り上げのが増えた分、ともに増える変動費です。
原価率が高くなるとたとえ売り上げが増えても手元に残る利益は少なくなり徐々に経営を圧迫することになります。
2019年10月より消費税が10%になり、食材費は値上がりが予想されます。
消費税アップのタイミングで様々の業者が値上げに踏み切ると考えたほうが良いでしょう。
物流業界をはじめ、人手不足の影響もあって人件費が上がっており、その分価格に転嫁せざるを得ないからです。
食材だけではなく電気やガスの光熱費、ごみ回収の費用に至るまで一斉に値上げされるはずですから、お店のメニューの値上げを考えなければいけません。
今後は今まで以上の原価の管理が重要です。
それでは原価率が高くなってしまう原因はどこにあるのか?
「仕入れ」「調理」「販売」の3つの工程のいずれかに原因があります。
どの工程に原因があるかによって取れるべき対策は異なるため原因を見極めることが大切です。
例えば、「仕入れの工程」で問題がある場合としては、仕入れ業者がいつの間にか価格を上げており知らない間に原価率が高くなっているということが考えられます。
そんな時には改めて仕入れ値をチェックして業者と交渉するなど、原価率を低く抑える努力が必要です。
間もなくやってくる消費税増税の前後は特に仕入れ価格の見直しのタイミングかもしれません。
もし今までの仕入れ先が値上げするようならば、そのタイミングで相見積もりを取って、ほかの業者と比較検討する必要があります。
新たに業者を探したいときにお勧めなのは飲食店関連の展示会へ参加することです。
展示会場には食材や調味料、調理器具など業者がたくさん出店しており、効率よく情報を収集することが出来ます。
常にアンテナを張り「情報弱者」にならないことが大切です。
また、「調理工程」でも見直すべきポイントはあります。
調理工程では、一つのメニューに使用する食材の分量が定まっておらず、オーバーポーションになっていることや、在庫管理が出来ていないために先入れ先出しが守られず、ロスが発生するなど問題が生じている場合が多いです。
また、「販売工程」においては、メニューの値付けが安すぎることや、原価率の高い商品ばかり売れていることなどが考えられます。
これらを改善するためにはまずメニュー1品ごとの原価率を点検することが肝心です。
そしてABC分析(売れ筋商品・死筋商品・どちらでもない商品の3つに分けること)をしたうえでメニューブックなどリニューアルし、オーダーのコントロールをする。
オーダーの数を増やしたいメニューのPOP活用も重要です。
原価率を見直し、改善するための対策を取ることは、同時に販売戦略の強化につながります。
■原価率が高くなる3つの原因と対策
1、仕入れ工程
業者から仕入れする価格がいつの間にか高くなっている。
また必要以上の量の食材やドリンクなどを仕入れているのが原因。
業者の見直しや、値下げ交渉、売り上げ予測を立てて適正量を仕入れるようにするなどの対策をしましょう。
2、調理工程
「先入れ・先出し」が守られておらず、仕入れた食材をきちんと使われていない、また必要以上に食材を使いすぎていることが原因。
在庫管理を徹底することやメニューごとのレシピ作り、見直しなど必要。
3、販売工程
原因は、メニューの値付けが低くすぎることや、原価率の高いメニューばかりオーダーされていることなど。
対策としては、値付けの見直しに加え、メニューブックやPOPを改訂し、注文の流れを変えることが必要。
3、人件費を見直す
人手不足に伴う人件費高騰が続いています。
アルバイトの募集の金額も年々上がっていて経営する側はとても大変です。
営業時間を短くしている店舗も増えてきています。
そのような対策を行っても「採用」に苦戦する経営者も多いと思いますが、あくまでカフェの売り上げを作るのは「人」。
人が足らず、お客様の満足度が低下して、売り上げが下がるのあれば、躊躇なく採用にお金をかけなければいけません。
営業時間の短縮などにより、確かに人件費などは抑えられるかもしれませんが、当然ながら売り上げは下がります。
家賃などの固定費は支払い続けるわけで、きちんと店舗を稼働させれためにも、計画的な人材採用が必要です。
採用と同時に気を付けなければいけないのが。
「人が辞めない環境づくり」です。
スタッフの働きやすさを意識して職場や待遇の改善を行わなければいけません。
では、人件費が高くなっているお店はどのようにして改善するのか。
まずはなぜ人件費が高くなっているのかを考えましょう。
考えられる理由①シフトを組む段階で人数を入れすぎてしまっている。
考えられる理由②その日の売り上げが目標売上を大きく下回った。
この2つが理由としてあると思います。
人件費率は、人件費を売り上げで割った比率になるため、売り上げの好不調に大きく左右されます。
人件費が高くならないようにするためには、まずシフトを組む際必要以上に人数を入れないようにすることが重要です。
不要にかかっている人件費のカットは欠かせない課題となりますが、だからといって必要以上の人件費削減を行うとパフォーマンスの低下にもつながりかねません。
そうなるとお店の評判が低下してしまう可能性もあるので、慎重に検討する必要があるでしょう。
それぞれのお店ごとで経営方針や客層は変わってくるので、自分のお店の状況とよく照らし合わせた効果的な人件費の削減を行ってくださいね。
まとめ①
カフェの「FLRコスト」や「FLR構成比率」はいかがでしたか?
最後に全体の内容を4つのポイントで再度確認しておきましょう。
- FLコストとは、F=food(原価、材料費)、L=Labor(人件費)のこと
- FL構成比率はFLコスト÷売上で求めることができ、60%が一般的な目安である
- FLRコストはFLに家賃(R=Rent)を加えたものである
- FLR構成比率を70%を超えないようにすれば、利益を確保しながらカフェを経営することができる
「FLRコスト」や「FLR構成比率」という経営指標を活用すれば、達成すべき売上目標を数値化して具体的に設定することができます。
カフェを長く続けるためにも、「FLRコスト」や「FLR構成比率」の経営指標を積極的に活用していきましょう。
2、カフェ経営の基本「原価率」をもう一度見直しましょう。
続きましては、カフェ経営の基本である「原価率」について解説します。
全体的なコスト管理について解説いたしましたが、もっと深堀して「原価」について考えていきましょう。
まずは、皆さんに質問です。
売上を上げるにはどのようにすればよいでしょう??
「リピーターの来店頻度を増やす」
「新規のお客さんを増やす」
「メニューの値上げ」
「・・・・」
方法はたくさんありそうですね。
とにかく物をたくさん売れば売り上げは上がります。
続いて、利益をふやす方法はどのようにすればよいでしょう?
利益の計算方法は。
「売上から経費を引いた額」が利益になります。
ということは売り上げを大きくしていけば利益も大きくなる。
という考え方もありますが・・・・
しかし、この考えでは経費について大きな勘違いをしています。
何故ならば、どんなに売り上げが大きくなったとしても、経費が大きければ利益は変わらないどころかマイナスが発生してしまうからです。
簡単に言うと、商品を安く仕入れて高く売るといいんです。
確実な利益を得るためにはまず、経費をどこまで抑える必要があるのかを考えなければなりません。
つまり、「原価意識」を徹底させるのが重要です。
消費税増税で食材費、ドリンク、梱包材料、その他消耗品の値上げがいやでもやってきます。
ということは経費が上がり利益が少なくなってしまうということです。
「メニューの価格変更をおこなう」
「仕入れ業者を変える」
などの施策を打たなきゃ利益は減る一方です。
今からでも遅くないので「原価」について真剣に考えていきましょう。
それでは本題です。
どのようにして原価を減らし、利益を増やせばよいでしょう。
1、売上を上げて原価率を下げる
売上を上げて原価率を下げる方法を考えてみます。
売上を上げて原価率を下げる方法で一番目に思いつく方法としては、「メニューの値上げ」ではないかと思います。
値上げと言ってもすべてのメニューの値上げという考え方だけではなく。
原価率の低いメニューをたくさん売れば原価率は下がります。
ですから、原価率の低いメニューの注文が増えるように店内のPOP作成、レジでの声掛けの実施などがあります。
次は、原価率を効果的に下げる方法です。
原価率を下げつつ料理の質を落とさないようにするにはどうしたらよいのか。
様々な方法を考えてみた。
2、原価率3割にしなければいけないと考えていませんか?
カフェの専門書籍、WEBなどの書かれている「食材の原価率3割」というのは、あくまでも目安と思ってください。
ですから、そこにこだわりすぎる必要はありません。
メニューの中には原価率4割、5割のものを作っていきましょう。
その一方で、原価率1割、2割のものも作っておきます。
それを組み合わせて販売すればトータルで原価率を下げられるでしょう。
カフェでは原価率が高い品はどうしても薄利多売で売りたくなります。
なぜなら原価率が高い商品を原価率3割で提供しようとしたら、メニューの中で割高商品として位置づけられるため、あまり売れない商品となる可能性が大きいからです。
原価率の高い商品もメニューに入れていきたい、しかしその単体料理ではボリュームが少ないので料理が貧相に見えてしまうという悩みが発生します。
では、原価率の高い料理と低い料理を組み合わせてセット販売すればどうでしょうか?
品数が多いと豪華に見えますね。
たとえば、「国産和牛のハンバーグ(原価率が高い)+フライドポテト(原価率が低い)+ドリンク(原価率が低い)」
このようにメニューの組み合わせにも工夫すれば、原価率は下げられるのです。
3、食材は仕入れすぎない
カフェを経営していれば、「どのようなときにお客様がたくさん来店するのか」がだいたい分かってきます。
また、売れ筋のメニューなども決まってくるでしょう。
そうなったら食材はあえて少なめに発注するのです。
「人気メニューが売り切れる」ことより、「食材が余る」方が経営にとってマイナスになります。
食材には消費期限がありますが、やはり新鮮なものの方が味はよいのです。
ですから、食材は「ちょっと予想外に顧客がたくさん来店したら、売り切れるメニューが出る」くらいの仕入れでちょうどよいでしょう。
「それで評判が悪くなったらどうするのだ」と思う方もいるかもしれません。
しかし、予想外に顧客が来店する日、というのは年に何回もないのです。
お目当てのメニューが売りきれて顧客ががっかりしたら、サービス券などを渡してリピートしてもらいましょう。
もしくは二番手の人気のメニューを開発し、「このメニューも人気ですよ」って声掛けを実施しましょう。
そうすれば、新たな顧客獲得につながることもあります。
4、訳アリ食材をうまく使いましょう
ちょっと形が悪かったり小さかったりする食材は、訳アリ食材として安価で売られています。
そのような食材はメインにはなりませんが、サイドメニューとしては十分使えるでしょう。
形の悪い野菜も切って料理してしまえば分かりません。
メニューを増やしたいけれど原価率がと悩んでいる方は、訳アリ食材を積極的に利用してみてください。
5、仕入れ先の業者との関係性を再度考えてみる
今取引している仕入れ業者はいつからのお付き合いですか?
なんとなくオープン時期に営業スタッフが訪問したから今まで続けている。
知り合いからの紹介だから断れない。
などなんとなくお付き合いしているという関係性ではないでしょうか?
一度、現在の仕入れ先をチェックしてみてください。
そこには無駄な支出が含まれている可能性が多々あります。
新規に取引業者を開拓してみるのも良いかもしれません。
付き合いが辞められないのなら購入価格の交渉をダメもとで行ってください。
まとめ②
飲食店にとって重要な「原価管理」は、適当にやって何とかなるというものではありません。
適正原価は30%以下という古い認識に捕らわれる必要もありません。
原価率は商品開発のときに気にするだけで実際の原価を意識しない経営者もいます。
そのような状態で「利益が出ない」と嘆いても打つべき対策は見えてきません。
まずは、経営数値を見ながら自店で適切な原価率を導き出し、それに沿った原価管理を行ってください。
分かりにくい点、ご質問などありましたら、お気軽にお問い合わせください。→こちらをクリック
最後まで読んでいただきありがとうございます。